最近毎日のように図面を描いています。私が今の仕事を始めたのは13年ほど前で、当時は手書きの図面でしたが、その後1年ほどでPCを使い描くようになりました。
図面ばかり描いていてふと那須の現場を思い出しました。今の仕事の前はゼネコンの現場監督をしていたのですが、その現場の所長には大変おせわになりました。昼間は通常の業務をこなし、現場で施工管理やら次の工程の段取りなどをします。夕方になると宿舎のアパートに帰り、食事と入浴を済ませ再び出勤、19時ごろから翌朝4時、5時まで施工図を描きます。施工図というのは、設計図をもとに実際に細かい部分の寸法まで描きこんだ工事用の図面のことです。これを1日1枚のペースで描き上げ、1週間。7枚の図面を7日で仕上げたことがあります。
朝方描き上げた図面を所長の机の上に提出し、事務所で仮眠して、通常業務をするという1週間でしたが、所長は図面の詳細をチェックしたほかに、「この図面の密度だったら数字や文字はこの大きさがいい。」とか「この部分をこう描いた方がいい。」など図面の表現についていてもアドバイスを頂きました。
この現場はJV、いわゆる共同企業体という数社のゼネコンが1つになって同じ現場の仕事をする形態のもので、所長は同じ会社の方ではありませんでした。自分の会社の人間でもない若造である私に様々なことをお教え頂きました。あの那須での日々は今の私のとっても非常に大切な時期であり、モノづくりの基礎的な部分を学んだといっても過言ではないものでした。私には何人かのモノづくりの師がいらっしゃいますが、その時の所長もその中のお一人です。
図面を描き続けるとあの那須での日々が思い出されます。あの時のような無理はなかなか効かなくなりましたが、師から頂いた教えは今でも私の支えとなっています。「竹ちゃん、遊び上手は仕事上手。」「随処為主だよ。」そう言って笑ってらした師も昨年亡くなってしまいました。できの悪い弟子ではありますが、あの時と同じように、「いいものをつくる」「お客様にお喜び頂けるような、お客様の笑顔が増えるような仕事をする」という思いだけは今でも持ち続けています。
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