既存外壁撤去時に天井裏で様々なものを見ることができました。驚いたのは鳥の巣です。今では使われていないようでしたので、雛がいるということはなく、お客様に尋ねると、「10年以上前に天井裏がにぎやかだったことがあった。」とのことでした。
また、上棟式の時に掲げる矢も見ることができました。最近では上棟式をされるお宅は少なくなってしまいましたが、以前はどのお宅でも上棟すると工事の安全、建物の長持ちを祈って上棟式をし、お餅やボール、おひねりなどを上からまいたものです。子ども心に、上棟式でお餅などをまく父を見て、誇らしく思ったのを昨日のことのように覚えています。そして、上棟式の前には決まって、矢の先につける鶴と亀の絵を家族総出で描いたものです。ベニヤ板に水彩絵の具で描くのですが、下絵は父が、彩色は家族でという感じでした。
そして、このお宅にもその矢がおさめられていました。詳しく探せば棟札も出てくることでしょう。小屋裏を見ているとこのお宅を作った職人さんと会話しているような錯覚を覚えます。どんな思いで、どう考えて目の前のおさまりになったのか、どういったいきさつで、この材料を選び、使ったのか、そんなことを考えながらのリフォーム仕事は楽しいものです。私の仕事も、このあと何年も、何十年も大切にお使い頂いて、次の世代の職人たちに様々な思いを伝えられたら、そんな夢を抱いてしまいます。

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